【第2話】好きなことを仕事にしたい!

好きなことを仕事に!

前回までのあらすじ。

高卒の僕が資格取得に囚われて3年。その負のループ(呪縛)から僕を救ってくれた社会保険労務士のおじさんの言葉を受けて、今度は「自分のやりたいことは何だろう?」という思いを巡らせ始めます。

僕の好きなもの。

パッと思い浮かんだものがありました。

それは、小さい頃から好きだった「絵を描くこと」。

絵で生きていくなんて簡単なことじゃない。

そんなことは分かっていたのですが、その時の自分の気持ちを大事にして行動することにしました。

本やネットなど、色々探して僕は「絵を学べる専門学校」を見つました。

早速説明会に行くことになるのですが、そこでも僕の生き方を大きく変える新たな出会いが待ち受けていました。

その人は、まるでジブリの「魔女の宅急便」に出てくるおソノさんのような元気な人でした(笑)。

魔女の宅急便 おソノさん

スタジオジブリ公式サイトより

目次

好きなことを仕事にしたい

好きなことを仕事に

スタジオジブリ公式サイトより

どうせやるなら、自分がやってて楽しいと思える仕事をしてみたい。

きっと誰もが思うことで、でも全員が叶えられることかも知れません。

でも、なんか諦めたくなくて、実際にそう感じながら仕事ができている人がいるのも事実だから、やるだけやってみようと思っていました。

今まで誰かに絵の描き方を習ったわけことはありません。

ぬり絵や漫画を描くことが好きで、小さい頃から一人でチラシの後ろの白い面を使って漫画を書いていました。

絵もそうだけど、LEGOでお城を作ったり、ミニ四駆を作ったりと、自分の手を動かして何かを作る

そんな時間が楽しかったのを思い出していました。

あまり好きに思えなかった法律の勉強をするよりも、

こう、自分の中でものすごいやる気というか、活力が湧き出てくる感じになって、

自分の気持ちに対して素直におもしろそうに思えたんです。

気づけば、専門学校に足を運んでいたのですが…?

さっそく困った

困った

スタジオジブリ公式サイトより

・・・が、さっそく困ったことになりました。

「絵 仕事」と検索して出てきた職業が↓だったんですが、これらの違いがよく分かりませんでした(笑)。

  • グラフィックデザイナー
  • CGデザイナー
  • アニメーター

ざっくり絵を描くといっても、ピカソのような芸術家を想像してた訳ではなく、「ジブリ」や「ピクサー」のようなアニメを作ってみたいと思っていました。

でも、その技術や勉強ってどこで学べるの??

詳しい知り合いもいる訳ではなく、「多分アニメーター…」だとは思うけれど…。

調べたら調べたで、どれも似たようなツールを現場では使うこともあるらしく、どの学校が自分が求めているものが学べるのか迷ってきてしまいました。

でも、迷っててもしゃーない!!

ということで、まずは目星をつけた一つ目の専門学校に行くことにしました。

→考えなしな行動(笑)。

でもこれが吉と出ることになるとは…。

「おソノさん」似の学長、自らお出迎え

魔女の宅急便 おソノさん
「いらっしゃい!」

スタジオジブリ公式サイトより

最初に訪れたのは、グラフィックデザインに強い学校でした。(早速間違えたー)

主に印刷物のデザインスキルを学ぶことができるそうで、Adobeのイラストレーターや、フォトショップを利用します。

フォトショップは聞いたことがありました。

なぜなら、家でパソコンで絵を描いたりする時に「sai」というペイントツールを使っていて、フォトショップの代用品として利用してたためです。

漫画ももちろん書けるので、資格取得に見切りをつけた後、家で自分なりにパソコンで絵を描く練習をしていました。

ただ、学校に着くと対応できるスタッフが空いていないらしく、その学校の長である学長自らが学校見学の相手をしてくれることに。

ある意味VIP待遇?(笑)

その学長は、60歳近いとは思えないくらい活発で元気な女性で、自分の学校のことを楽しそうに僕に話してくれました。

僕が案内を受けていた部屋には、

壁一面にものすごいカッコいい、

そしてキレイで、

繊細な色使いで、

でも大胆で印象的で、

一言では言い表せないくらい、素人だった自分から見ても価値ある作品ばかりが展示してありました。

その業界では有名な人の作品もあったようで、学校のOBとのことです。

全く嫌味もないし、話すペースも僕を気遣って話してくれるし、強引な勧誘もないし(笑)、本当にステキな学長だと思いました。

でも、ちょっとイメージしてたのと違う

想像してたのと違う

スタジオジブリ公式サイトより

ただ、僕は話を聞いているうちに、自分が思っていたやりたいこととは少しズレてきてる気がしてきました。

小心者だった僕は、その学校案内が終わる時間までそのことを切り出すことができません。

学長に対して、「デザインっていいですね!」と話を合わせ、肝心な「僕はアニメを描く勉強がしたいんです!」という気持ちを言えず、そのまま2時間ほどの学校見学が終わり一度学校を出て駅に向かったのです。

あの学長、話を熱心に聞いてくれる人だったなぁ

・・・自分の思っていることをきちんと伝えなかったら、今までと同じ。

これじゃ何も変わらない気がする。

・・・よしっ!!!

駅に向かってた足を止め、再度学校に向かって走り出しました。

そして、扉を開けて開口一番に、

あのっ!学長はいらっしゃいますか!?
僕がやりたいのはジブリやピクサーのアニメを作ることなんです!
黙っていてすみませんでした!!

その時の校内のどよめき、ハンパなかったっす。

たまたま別の用事で席を外していた学長が、僕のことを聞いて戻ってきてくれました。

え、そうだったの〜?
なーんだ、それならそうと話してくれればよかったのに!^^

優しすぎるぜ、おソノさん(涙)!

さっき使ってた部屋に戻り、絵を描くことが好きであること、アニメを勉強したいことを伝えると、

「なら、いい専門学校があるわよ」

と言って、その場で専門学校の学長に電話をし始めたのです!

「学長に話を通しておいたから、今からその専門学校の見学に行ってらっしゃい」

僕は思った。

「また学長?(笑)」

そうして数日後、すぐに電話してくれた専門学校に向かうのでした。

最新設備が集結!

次元が違うとはまさにこのこと。

一人ひとりに最新のパソコンとCG映像も作れる設備、キレイなデッサン室。

学校の中はイマジネーションをかきたてる、アーティスティックなものが置いてあったり(イスまで普通の形じゃない)、いるだけでいいものができそうな空間。

僕はすぐに「ここで学びたい!!」と思いました。

モチベーションも高まり、すぐにでもこの専門学校で勉強したい!と思っていたのですが、ここで家庭環境が壁として立ち塞がってしまいます。

プロフィールの冒頭でもお話ししたように、家族の介護やその日暮らしの生活を続けてきた僕は「時間」と「お金」に余裕がありませんでした。

でも、おソノさん(勝手におソノさんになってますが)にも良くしてもらい、僕は1〜2年かかってでもいいから、

親の働く時間が減らせて、おばあちゃんの介護に余裕が出るようになってから学校に通おうと考え、まずはお金を貯めようと決意します。

辞めることを前提に仕事探しをしていたので、正社員ではなく派遣などの雇用体系の中で探し、時給がいい+未経験でもOKなケータイ販売の仕事を見つけます。

今は募集数が落ちているかもしれないですが、当時はすぐに仕事につけてお金もいいので採用もたくさん行なっていたようです。

そしてここから、僕は専門学校に通うためにケータイ販売の仕事につきお金を貯めようとします。

・・・が、「慣れ」ってやっぱり怖いです。

自分の意志の弱さと、環境は人を変えることを痛感することになるのです。

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