【3話】僕を資格の呪縛から救ったヒーロー・社会保険労務士おじさん登場!

前回のあらすじ。

このまま怠けていてはいけないと思い、堕落した生活から抜け出そうと動き出した僕は、

高卒が故に、世の中で戦うための武器として資格を取ろうとするお話です。

その中で選んだ資格は「行政書士」だったのですが・・・。

 


なぜ行政書士なのか?

ところで、なぜ行政書士を選んだのか?
それは、

  • 安定していそうだから
  • お金が稼げそうだから
  • 資格おすすめランキングで2位だったから
  • 社会保険労務士や司法書士につなげられるから

・・・はい、またアルバイトのときのような決め方登場。

気になるおすすめランキング1位は、たしか医療事務だったと思いますが、
男ならこっちでしょ!という軽い気持ちで始めてしまいました。

法律に興味があったわけでもなく、

憧れを持っていたとしたら、キムタクの出ていた検事をテーマにしたドラマ「HERO」を観たときでしょうか。

法律は誰かを助けられる力になるんだろうなぁ、というイメージがぼやっとあるくらいでした。

(個人的には、キムタクと松たか子の息のあった掛け合いが大好きですが^^)

 

と、こんなイメージしか持てない僕は、本当に自分にできるのだろうか?と悩みましたし、むしろ苦手意識の方が高かったです。

また、社会保険労務士や司法書士という資格もあり、これがまた難易度の高い資格で、

合格率が数パーセントの世界。
行政書士よりも難しいのを調べていてわかりましたが、

家庭環境的にもお金もなかった僕は、専門学校にいくこともできないので独学でできる範囲を目指していました。

 

最近のデータでは、合格率はこんな感じらしいです↓

引用:ユーキャン公式HP

 

そして合格に必要な得点は、

①行政書士の業務に関し必要な法令等科目の得点が、満点の50%以上である者。
②行政書士の業務に関連する一般知識等科目の得点が、満点の40%以上である者。
③試験全体の得点が、満点の60%以上である者。

簡単にいうと、①、②の両方で60%以上の実力があれば合格します。

 

試験は1年で1度きり。

自分でもなんとか届きそうな資格が行政書士かなと思ったのと、
のちに社会保険労務士や司法書士に仕事を広げることができる、
伸びしろがあり、土台となれる資格だとされていたので、

資格を取ったあとにもっと上を目指していけばいいと思ったのです。

 

もちろん、行政書士だって簡単に取れる資格ではないです。
それを目指して専門学校でも講座が用意されているくらいですし。

そんな気持ちのまま、長い長い試験勉強の1年目を迎えることになりました。

 

資格をとらねば!という呪いにかかった1年目

前にもお話しましたが、高卒である僕は資格を取ってやっと肩を並べられるようになるとずっと思っていました。

むしろ必須で、資格がなければ存在価値がないくらいの思考に陥ってしまいます。

 

資格!

資格!!

資格!!!

 

何かに取り憑かれたように資格を取らねばと常に考えていました。

肝心の勉強ですが、最初は意味が全くわかりませんでした。
用語が普段使わない言葉だったり、言い回しも慣れていないので、
何を言っているのか最初はさっぱりでした。

 

なので、ひたすら暗記を繰り返しました。

そのままを覚えて、どうにか点数を稼げないかという戦略を立てて試験に挑みましたが、

自分なりに覚えてきたつもりだけれど、結局合格点にはほど遠く・・・

合格ラインの20%も行かなかったのではないかと(ゲキ弱)。

 

他の試験に浮気をした2年目

初めての試験を終えて、改めて自分の苦手な試験範囲も分かり始め、
そこを重点的に勉強をしようと考えました。

僕が苦手だと感じた範囲は、「民法」という法律。

 

基本的にマーク形式の試験だったのですが、最後に記述式問題が1問出されます。

その得点の割合が非常に高く、この記述式問題をクリアできるかどうかで合格できるかが大きく変わります。

というわけで、全体を勉強していた1年目よりも民法の参考書を買って、合格を目指していたんですが・・・。

 

ここで、僕は他の試験に浮気をしてしまうのです・・・。

 

それは、「宅建」という試験を一緒に受けようと思ってしまったのです。

宅建とは、宅地建物取引主任者になるための試験で、
不動産業界では、あると給料が上乗せされる資格として知られており、

会社の5人に1人は、宅地建物取引主任者の人を従事させておかないといけなかったり、

さらに、家を契約するときに、その者から説明しなくてはならない書面もあったりして、

不動産業界に就職するのにはとても有利な資格とされています。

 

その資格のメインとなる試験範囲が、民法であり、
また、行政書士と宅建の2つを持っていると、収入がさらに増えるという情報を聞きつけた僕は、

民法を勉強するんだったら、この資格も一緒にダブルで取れちゃうんじゃないか?と、考えてしまいます。

 

あぁ、あわれなり・・・

 

一つのことを集中してやるべきところを、
欲を出して本命ではない資格を取りに行こうとしていたのですから、

少なからず行政書士の試験に影響が出るのは目に見えていました。

 

余裕があるわけでもないくせに、
自分なら両方取れるとか勝手に思い込んで、
宅建の資格の勉強を始めます。

もちろん、全部の試験範囲が被っているわけではないので、
双方の試験範囲で異なる部分を余分に勉強しなくてはなりません。

こうして、2年目の試験日を迎えることになるのですが、

 

果たしてその結果は・・・

 

 

宅建:合格
行政書士:不合格

 

あ、あれ??宅建、受かった・・・

そして本命は・・・不合格。

 

・・・えーと、どうしよう。

宅建を取れたことはとても嬉しかったけど、
目指していたのはそこではなかった。

だから、これを次につなげなくては
宅建を取った意味が薄れてしまうと感じ、次こそは絶対に合格してやるんだ!

 

そう意気込んで勝負の3年目に突入します。

 

最後の勝負と決めて挑んだ3年目

何度も参考書を読み込んで、必死に勉強しました。

そして、その年の試験は受けてみてなんとなく自分の中でも手応えがありました。

 

「これはいける!」

 

そう思って合格通知が来るのを心待ちにし、ついにその日がやって来ます。

 

その日の深夜、どしゃ降りの雨が降る中バイトから帰宅するとポストに合否通知が届いていました。

 

「き、きたっ!!」

 

ドクン・・・

 

ドクン・・・

 

心臓が、、、飛び出そう。

 

家に母親がいましたが、一緒に見るのではなく事前に合格したことを確認して驚かせようと思ったので、玄関の前で通知を開けることにしました。

合格したら、これで今の生活から抜け出せるはず!

そう思って期待しました!

そして、その中には・・・

 

 

 

 

『不合格』

 

 

・・・

・・・・・・

 

うそ

(しかも、あと1問解けていれば合格した点数だった)

 

・・・

・・・・・・

 

 

『うぅぐぅぁぁぁーーーっ!!』

 

思わず叫んでしまいました

近所迷惑だと頭ではわかってました

なにか事件か!?くらいの声で

口から出てしまいました

 

 

・・・悔しかったです

なんで

あと1問じゃん

あそこだけ間違わなければ

合格したんじゃん・・・

 

 

そこから、一気に心の中にあった資格を取るという熱が冷めてしまい、
この世の終わりかと思ってしまうくらい、落ち込んでたのを覚えてます。
(大げさかもしれないですが、そのくらい悔しくて)

 

その後、しばらくアルバイトをしながら休みの日はずっと布団にこもって寝て過ごし、

僕は勉強から一気に遠ざかる生活を2ヶ月くらいしてました。

 

ある程度気持ちが落ち着いた頃、ある考えがよぎります。

「勉強中の人でも雇ってくれるところがあるんではないか?」と。

僕はその日すぐにハローワークに行くことを決意します。

 

正直、今まで行政書士の仕事を間近で見たことがなかったのもあるのですが、明確なビジョンを持てた方がモチベーションにもつながると思い、何でもいいから動かなくては!と行動を起こしました。

結局ハローワークでは、資格がないから面接とかを紹介してくれるところなんて一つもなかったのですが、

唯一「職業体験」というのができる案件を見つけました。

 

しかも、その人は「社会保険労務士・行政書士・宅建」を持ち、
個人で事務所を構えて独立して仕事をしているという、

僕が将来そうなれたらいいなと思っていたイメージにぴったりの人のところで職業体験ができることになりました。

 

与えられた期間は4日間。
さっそく応募して、体験に向かうことになりました。

 

資格という呪縛から解き放つ運命の4日間

向かったのは普通のマンションの一室。
至る所に本が敷き詰められ、
必要最低限のものしかない殺風景な部屋。

少しタバコくさい、
換気もあまりされていない。

たぶんあそこが応接室なんだろうか。
部屋の中央に置かれたガラスでできた机をはさんで、
ソファーが向かい合わせで2つ置かれていました。

そうして、僕の4日間の職業体験がここでスタートします。

 

・・・が、

会話がない・・・(- -;)

 

そのおじさん、ほとんどしゃべらんとです。

ここから先は、「オレンジが僕の会話」「青がおじさんの会話」になってます。

 

僕も飲み会でよくいるムードメーカー的なタイプの人間ではないのすが、勇気を出して

「普段はどんな仕事をされてるんですか?」
「仕事はどのくらいのペースで行われるんですか?」

と、何か会話をして仕事の内容を聞き出そうとしたのですが、

「役所に依頼された案件の書類を届けてる」
「ほとんど依頼がないときもある、時期でまちまち」

 

・・・「なるほど。」

これしか返ってこない!!

全然教えてくれないじゃないか!

これって職業体験でしょ?!
もしや、これは自分で盗めってことなのか?!
僕を試しているのか?!

そう思って、必死にヒントになりそうなことを行動やら部屋の中やらを探し始めたのですが、

テレビを見て昼間は過ごし、
お弁当を買ってきて食べ始め、
たまに電話が鳴ったと思ったら、世間 話をして終わり。

 

・・・ヒント、ミツカラナイ。

多分ですが、本当に忙しくない時期だったのかもしれません。
だから、おじさんに非はないと思うことにしました。

そして、3日目になったとき事態は急転!!

おじさんが外出するぞと言って、のそっと動き出したのです。

 

「キタキタキタ!
やっと実際に仕事をする光景が見られる!」

そう思ってついて行くと、どうやら警察署に書類を届ける仕事のようで、
車に乗せられ言われるがままに僕はついていきます。

 

到着後、何の手続きかも言われず、
受付で書類を渡しサインを書いて、終了ー。

 

しかも、帰り道で曲がるところを間違えたらしく、
折り返してはいけないような道を折り返したり、そこに警備員の人がいて

「そこ曲がっちゃダメですよー!!」

という注意に対し、手を挙げて「すまん」のポーズ。
これくらい、図太くいなきゃつとまらないのか?と思うくらいの動じない性格。

 

「え、こんな感じで4日間終わるの?」

 

そうこうしている間に、
時間はどんどん過ぎていきます。

 

そして迎えた最終日。

このまま何も得ずに帰るのかなと諦めかけていたそのとき、今までほとんどしゃべらなかったおじさんが!

動くのも、のそっとしたおじさんが、口を開きしゃべりはじめたのです!

 

「なんでうちに職場体験に来たの?」

 

・・・へ?

ほんと唐突だったので面食らった感じで一瞬、お互いの時が止まったようになりましたが、

いきなりしゃべりかけてくれたと思ったら、そんな話??と思いつつ、

でも、せっかくのチャンスだと思ったので、僕も話を続けました。

そして、会話が続いて行きます。

 

「なんでうちに職場体験に来たの?」

「資格を取って立派な仕事に就きたいんです」

「今は何の勉強をしてるんだ?」

「行政書士です。あ、でも宅建は取りました」

「宅建とは業種が違うからなぁ」

「あ、そうですよね・・・」

・・・

「大学は?」

「僕、高卒でして」

「ほぉ」

「だから将来のために資格が必要だと思って勉強してました」

・・・

「ところで、何でこの仕事をしたいんだ?」

「それは、将来安定してそうだからです。この資格があれば学歴も関係なくてお給料も良さそうでしたし」

「それだけ?それ以外の理由は?」

「安定して働いて、その分家族が楽になればいいと思っています」

・・・

「・・・あれ??」

 

僕は突然、体の中から込み上げて来るものを感じてしまいました。

そして、なぜか急に涙があふれてきてしまい、

 

「え、何で俺泣いてるの?!」

急に体が震え出して、自分でも理由がわからず全然涙が止まらなくなりました。

何かのストッパーが外れたように、どんどん涙がこぼれてきてしまって。

 

「・・・」

おじさんはそのとき、珍しく饒舌になった口を閉じ、しばらく黙っていました。

 

僕は、逆に静まり返った空気に耐えきれずに口から声があふれだしてしまいました。

 

「うあぁぁ・・・うう・・・」

「家族に心配をかけたくなくて・・・」

「ただ・・・それだけを思ってやってきたんですけど」

 

こうして30分くらいでしょうか。

思っていることを全部吐き出し、泣いて、ようやく涙がおさまりかけた頃、

おじさんが、またしゃべり始めます。

 

 

大切なこと

「・・・大変だったんだな」

そう言って、おじさんは続けます。

 

『君にとって、この仕事は本当にやりたいことだと思うかい?

きっと家族の人も自分たちのことを想って、そんな苦しい思いをしてまで仕事をしてほしいとは思ってないのではないか?

いつも君が元気でがんばってることが一番だと思ってるんじゃないか?』

と。

 

このとき、僕は初めて家族のためだと言い訳して、
自分が納得もしていない、ただなんとなく決めた道を進んで自分勝手に苦しんでいることに気づいたんです。

悪い言い方をすれば、家族というものを利用して、自分の気持ちから逃げていたんです。

勉強していた期間ずっと。

 

本当は、自分がこの道に向いていないんじゃないかって、
ずっと前からなんとなく感じていて、

でも一度進んだ道を引き返す勇気が持てなくて、
それで僕は先の見えない暗闇を、ただなんとなく進んでいました。

 

だから、そのとき全く関係のない、赤の他人であるそのおじさんから言われたことが、

客観的に見て僕に対して当たり前の疑問をぶつけてくれることになりました。

 

自分がやりたいこと

その後、おじさんは多くは語らず、
また口を閉ざしてテレビを見始めました。

僕も何も言わず、ただこの4日間の職業体験が終わるのを静かに待ち、お別れのときを迎えました。

 

「ありがとうございました」

「まぁ、がんばれ」

 

たった一言、その言葉を残しておじさんはまた部屋に戻って行きました。

僕はそのあと、どう帰ったかは覚えていませんが、
ハローワークの人に職業体験が終了したことを告げ、

職員の人に「これから別の求人とか見ますか?」と言われたのですが、

「一度考えてみます」と言って、
資格を取らなくてはいけないというプレッシャーから解放された時間を少しの間だけ楽しむことにしました。

 

ずっと資格、資格って思ってきたけれど自分が納得して進むことに資格は別に必須ではないんだと思うことができた出来事でした。

もちろん、仕事によっては専用の資格がないとそもそも仕事ができないものも中にはあるでしょう。

 

今回の行政書士なんかはまさにそれですが、
でも、僕が進みたいと思った道は資格では測ることができない仕事だったので、少し楽になった気分でした。

 

今思うことは、どんな仕事でも、自分の中でやっていくための信念みたいなものを持てるかどうか。

これって、自分を潰さないためにも必要なことで、

それが結果的に自分が大事にしたいもの、たとえば家族のためにもつながるんじゃないかなと僕は個人的に思いました。

 

今回出会ったおじさんは、僕にとって資格を取らなければならないという呪縛から救ってくれたヒーローのようなおじさんでしたが(でも、もう少し会話してほしかったけどね!)、

当の本人は僕のことをもう覚えていないと思います。

なんか若いやつが一人きたなくらいでしょう。

 

まぁ、それでもいいですし、もう会うこともないと思いますが、

もしまた会うことがあれば、

ありがとうございましたと、今でも感謝していることが伝えられたらいいですね。

 

 

さて、次回はそんな僕が自分の気持ちに正直になって起こした行動と、その後どうなったかをお話したいと思います。

よければ続きも読んでやってください^^
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